キャッシュフロー計算書(C/F)v20260810f

📖 このタブで学ぶこと

  • C/F計算書 = お金の出入りを3つに分けた表と説明できる
  • フリーCFの意味と公式を言える
  • 間接法のイメージをつかむ
🎯
PM(進行役)
キャッシュフロー計算書って難しそうだけど、まずは一番カンタンな説明からいこう。初学者がつまずかないようにね。
✏️
Creator(作成担当)
了解!「会社のお財布の出入り記録」だと思えばOK。家計簿とほぼ同じだよ。

💰 C/F計算書 = お金の出入り記録

🎯 ひとことで言うと

キャッシュフロー計算書(C/F)は、「1年間でお金がどこから入って、どこに出ていったか」を3つに分けて記録したものです。

作成義務があるのは上場企業(金融商品取引法)。会社法の計算書類には含まれません。

🏢
本業で稼ぐ
営業活動CF
🏗️
設備に使う
投資活動CF
🏦
借金・返済
財務活動CF
この3つの合計 = 1年間のお金の増減

🍣 例:回転寿司チェーンで考える3つのCF

営業CF=お客さんがお寿司を食べて払うお金。投資CF=新店舗を出すときの内装工事費。財務CF=出店資金を銀行から借りる/返す。この3つで「寿司チェーンのお金の全体像」が分かる。

💡
身近な例え
家計に例えると...
💼 営業CF = 給料(本業の収入)
🏠 投資CF = マイホーム購入や車の買い替え
🏦 財務CF = 住宅ローンを借りる・返す

📊 3つのCFの+と-の意味

プラスとマイナスの意味
区分+(プラス)-(マイナス)
営業CF本業で稼いでいる本業で赤字
投資CF資産を売っている設備投資している
財務CFお金を借りている借金を返している
覚え方のコツ:投資CFがマイナスは悪いことじゃない!設備投資してる=将来のために使ってるということ。財務CFがマイナスも同じく、借金を返してる=健全。
🧑
新人くん
じゃあ「営業+/投資-/財務-」が一番いいパターンってこと?
👨
先生
そのとおり!本業で稼ぎ、投資もして、借金も返せる。回転寿司で例えると、毎月お客さんで繁盛し(営業+)、新しいレーンを導入し(投資-)、開業時のローンも返している(財務-)状態だよ。

フリーキャッシュフロー(FCF)

フリーCF = 営業CF + 投資CF
💡
身近な例え
給料30万円(営業CF)から家賃や食費を除いた「自由に使えるお金」がフリーCF。投資CFは必要な出費なので引くと、残りが自分で自由に使えるお金になる。
⚠️
試験の引っかけ
「FCF = 営業CF 投資CF」はバツ!投資CFは通常マイナスなので、足し算(+)が正しい。引き算だと符号が逆になるよ。

💡 FCFがプラス = 健全な会社

本業で稼いだお金が投資分を上回っている状態。借金を返したり、配当を出したり、自由に使えるお金があるということ。

🛒 例:コンビニオーナーのFCF

月の売上利益50万円(営業CF)、冷蔵ケースの入替に30万円使った(投資CF=-30万)。FCF = 50 + (-30) = +20万円。この20万でローン返済や貯金ができる=自由に使えるお金がある健全な状態

💰 FCF vs 3つのCFの合計 ― 混同注意!

FCF(フリーキャッシュフロー)

営業CF + 投資CF

= 会社が自由に使えるお金
(借金返済・配当・貯蓄などに充てられる)

現金増減額

営業CF + 投資CF + 財務CF

= 3つ全部を足した期中の現金の増減
(B/Sの現金がいくら増えたか減ったか)

つまり 3つのCFを全部足す = FCFではなく「現金増減額」
FCFは財務CFを含まない。では、なぜ含まないのか?

❓ なぜFCFに財務CFは入らないの?

FCF=「会社が自力で稼いで、必要な投資をした後に残るお金」。
つまり銀行や株主に頼る前の、会社の実力で生み出したお金を測る指標。

営業CF

本業で稼いだお金
= 会社の実力

FCFに入る

投資CF

事業維持に必要な出費
= 必要経費

FCFに入る

財務CF

借入・返済・配当など
= 外部とのやりとり

FCFに入らない

財務CFは「FCFを使って何をしたか」の結果。借金返済も配当も増資も、自力で稼いだお金(FCF)をどう配分するかの話。
だからFCFを計算する段階では、まだ財務CFの出番ではない

💡
給料で例えると
営業CF=給料30万円(自分で稼いだお金)
投資CF=仕事用PCの購入 -5万円(稼ぐために必要な出費)
FCF = 30 + (-5) = 25万円(自由に使えるお金)

財務CF=奨学金の返済 -3万円、親からの仕送り +2万円
→ これは「25万円をどう使うか・外からいくら補うか」の話
自分の稼ぐ力(FCF)を測るのに、親の仕送りを混ぜたらおかしいよね?
⚠️
試験の引っかけ
「FCF = 営業CF + 投資CF + 財務CF」はバツ! それはただの現金増減額
「FCF = 営業CF - 投資CF」もバツ! 投資CFは通常マイナスなので足し算(+)が正しい

📝 具体例で整理

区分金額意味
営業CF+500本業で稼いだ
投資CF-200設備投資した
↓ ここまでがFCF = 500 + (-200) = +300(自由に使えるお金)
財務CF-100借金返済した
↓ 3つ全部足すと現金増減額 = 500 + (-200) + (-100) = +200

→ FCFの300のうち100を借金返済(財務CF)に使ったので、手元に残ったのは200。
FCF = 稼ぐ力の指標、現金増減額 = 実際の財布の中身の変化

📝 間接法って何?(超かんたん版)

🧑
新人くん
「税引前当期純利益」って何?難しそう...
👨
先生
P/L(損益計算書)の「売上から全部の費用を引いた利益」から、まだ税金を引いていない状態の金額だよ。映画館で例えると、チケット売上から人件費・家賃・フィルム代を全部引いた「税金を払う前の儲け」のこと。
📋
Planner(計画担当)
試験で出るのは間接法!「税引前当期純利益」からスタートして、お金が動いていない項目を足し引きする方法だよ。
間接法のイメージ
税引前当期純利益スタート地点
調整する+減価償却費
+/-売掛・買掛の増減
営業CF完成実際のお金の動き

❓ なぜ減価償却費を足すの?

減価償却費はP/L上は「費用」だけど、実際にはお金が出ていかない。だから利益に足し戻す。
例:100万円の機械を買うとき、お金が出るのは買った時だけ。毎年の減価償却20万円は帳簿上の費用で、お金は動かない。

💡
コンビニで例えると
コンビニのレジ(100万円)を5年で減価償却すると毎年20万円の費用。でも実際にレジ代を払ったのは買った時の1回だけ。帳簿上だけの費用=お金は動かない=足し戻す

💯 最低限おぼえること3つ

🎪 営・投・財 ― サーカスの3つの金庫
想像してみて:サーカスのテントの中に巨大な金庫が3つ並んでいる。
🏢 業の金庫 → ピエロがお札をばらまいて稼いでいる
🏗️ 資の金庫 → ライオンが設備をバリバリ食べている(お金が出ていく)
🏦 務の金庫 → 空中ブランコの綱で銀行とつながりお金が行ったり来たり

✅ 入門まとめ

  1. C/F計算書 = お金の出入りを3つに分けた表(営業・投資・財務)
  2. フリーCF = 営業CF + 投資CF(自由に使えるお金)
  3. 間接法:税引前当期純利益から調整して営業CFを求める(試験はこれ!)
🎯
PM(進行役)
入門は分かった。次は試験で問われる詳細を詰めていこう。勘定科目の分類が特に大事!
🔍
Critic(評価担当)
間接法の加算・減算の判定ルールを確実に押さえないと得点できない。ここが勝負どころ。

📖 このタブで学ぶこと

  • 直接法と間接法のちがいを説明できる
  • 間接法の加算・減算ルールをマスターする
  • 各区分の代表的な勘定科目を覚える
  • C/F計算書とB/S・P/Lの関係を理解する

🔄 直接法 vs 間接法

📋 直接法

営業収入、仕入支出など
取引ごとに集計

手間がかかるが内容が詳しい

VS

📝 間接法

税引前当期純利益から
調整項目を加減

P/Lから作れるので実務で主流

試験では間接法がほぼ毎回出題!直接法と間接法でちがうのは営業CFの表示方法だけ。投資CF・財務CFは同じ。

🎬 例:映画館の収入で直接法と間接法を比較

直接法=「チケット売上○○万円、ポップコーン売上○○万円、人件費△△万円...」と1つずつ集計。間接法=「P/Lの利益からスタートして、減価償却費(映写機)を足し戻す」。結果は同じだが、間接法のほうがP/Lから簡単に作れる。

💵 営業活動CF(間接法)の構造

間接法による営業CF計算の流れ
① 税引前当期純利益P/Lの数字からスタート
⬇️
② 非資金損益項目の調整減価償却費(+)、引当金増減 など
⬇️
③ 営業外・特別損益の除去受取利息(-)、支払利息(+)等
⬇️
④ 営業資産・負債の増減売掛金増(-)、買掛金増(+)等
⬇️
⑤ 小計ここまでが営業活動の実態

なぜ「利益」と「お金」はズレる?──間接法は"ズレを元に戻す"作業

🎯 この話のゴール

P/Lの利益実際に増えた現金は、ふつう一致しない。
間接法は「利益にまざり込んだお金が動いていない分を足したり引いたりして、"本当のお金の増減"に戻す」作業。
ゴール=各調整項目が「+(足す)」か「−(引く)」かを、理由から言えるようにすること。丸暗記でなく「お金が実際に動いたか?」で判定する。

🍞 具体例:パン屋さんの1年(利益は+100万、でも現金は…?)

P/L上の税引前利益は +100万円。ここから「お金が動いていない項目」を1つずつ戻すと、営業CFが見えてくる。

できごと利益への影響お金は動いた?だから調整は
オーブンの減価償却費 30万利益を30減らした払っていない(過去に購入済)+30 加算
お金は出てないので戻す
売掛金が 20万 増えた影響なし(売上は計上済)まだ回収していない−20 減算
売れたのに入金なし
買掛金が 15万 増えた影響なし(仕入は計上済)まだ払っていない+15 加算
仕入れたのに出金なし
受取利息 5万利益を5増やした入ったが"営業"ではない−5 減算
営業CFから追い出す
営業CF(小計)100+30−20+15−5= +120万

👉 利益は100でも、実際の営業キャッシュは120。この「戻し作業」の+−を、次の表でパターン化する。

🗂️ 調整項目は「3タイプのどれか1つ」に必ず当てはまる

調整項目は無限にあるように見えるが、実は下の3タイプのどれか1つに分類される(同時に2つには入らない)。タイプが分かれば+−も決まる。

  • タイプA:お金が動かない費用・収益 … 減価償却費・引当金の増加 → 加算(費用だが現金は出ていない)
  • タイプB:営業外・特別の損益(=営業じゃない) … 受取利息・売却損益など → 符号を逆にして除去(営業CFから追い出す)
  • タイプC:運転資本(B/S項目)の増減 … 売掛金・棚卸資産・買掛金 → 資産増=減算 / 負債増=加算

⚠️ 間接法の加算・減算ルール

最重要!この表を覚えれば試験で戦える!
間接法は「利益にお金が動かない費用を足し、お金が動かない収益を引く」が基本ロジック。
👨
先生
13項目は3グループに分けると覚えやすい!
A. お金が動かない費用:減価償却費・引当金増 → 加算
B. 営業外・特別損益の除去:利息・売却益損 → 逆にして除去
C. 運転資本の増減:売掛・買掛・在庫 → 資産増=減算、負債増=加算
調整項目加算(+) or 減算(-)理由
減価償却費+ 加算費用だがお金は出ていない
貸倒引当金の増加+ 加算費用だがお金は出ていない
退職給付引当金の増加+ 加算費用だがお金は出ていない
受取利息・配当金- 減算営業外収益なので除去
支払利息+ 加算営業外費用なので除去(後で別表示)
有形固定資産売却益- 減算利益に含まれてるが営業じゃない→除去
有形固定資産売却損+ 加算損失で利益を減らしてるが営業じゃない→戻す
売上債権(売掛金)の増加- 減算売上はあるがお金は未回収
売上債権(売掛金)の減少+ 加算過去の売上の回収でお金が入った
棚卸資産の増加- 減算在庫購入でお金が出た
棚卸資産の減少+ 加算在庫が売れてお金が入った
仕入債務(買掛金)の増加+ 加算仕入はしたがお金はまだ払ってない
仕入債務(買掛金)の減少- 減算過去の仕入の支払いでお金が出た
🌍 資産増=マイナス / 負債増=プラス
想像してみて:B/Sという名前の天秤が宇宙空間に浮かんでいる
左の皿(資産側)に荷物を積むと、右の皿から現金が飛び出していく(CFマイナス)。
右の皿(負債側)に借用書が積まれると、左の皿に現金が舞い降りる(CFプラス)。
天秤の左右で現金の動きが逆になる!
💡
覚え方のコツ
売掛金が増える = 「商品は売ったけどまだお金もらってない」= お金は入ってこないのでマイナス。
買掛金が増える = 「仕入れたけどまだ払ってない」= お金が出ていかないのでプラス。
「お金が実際に動いたか?」で考えれば間違えない!
🧑
新人くん
ECサイトで考えると、注文が殺到して売掛金が増える=売上はあるけど入金待ち=お金は手元にない=マイナスってことか!
⚠️
試験の引っかけ
「売却益は投資CFに計上する」はバツ!売却による入金額の全額が投資CF。営業CFでは利益に含まれている売却益を減算して除去するだけ。金額と場所を混同させる問題が出る。
⚡ チェック ─ 間接法の+−(基礎)
Q1. 減価償却費は、間接法の営業CFでどう扱う?
加算(+)。費用として利益を減らしているが、現金は出ていない(過去の購入分の配分)ので戻す。
Q2. 売掛金(売上債権)が増えたら?
減算(−)。売上は立ったのにまだ回収していない=手元の現金は増えていないので引く。資産増=マイナス
Q3. 買掛金(仕入債務)が増えたら?
加算(+)。仕入れたのにまだ払っていない=現金は出ていないので足す。負債増=プラス
⚡ チェック(実践・やや難)─ 間接法の調整
Q.(正誤型)「間接法では、受取利息は営業外収益なので営業CFの調整で加算する」──正しい? 📍 解説へ
誤り。受取利息は「減算(−)」。利益に含まれた営業外収益を営業CFから除去する。除去なので収益は逆符号=マイナス。「営業外=加算」と機械的に覚えると引っかかる。
Q.(判定型)有形固定資産売却益50万が利益に含まれている。間接法の営業CFでは? 📍 解説へ
−50万(減算)。売却益は営業ではないので営業CFから除去(利益に足されている分を引く)。売却の入金全額は投資CFへ。金額と場所の混同が定番の引っかけ。
Q.(混同型)棚卸資産が当期に減少した。営業CFへの影響は? 📍 解説へ
加算(+)。在庫(資産)が減った=売れて現金化された。資産の減少=プラス。増加と逆なので符号を取り違えやすい。

🏗️ 投資活動CFの主な勘定科目

勘定科目+/-具体例
有形固定資産の取得-工場・機械・車両の購入
有形固定資産の売却+古い設備・土地の売却
有価証券の取得-株式・債券の購入
有価証券の売却+保有株式の売却
貸付けによる支出-子会社等への貸付
貸付金の回収+貸付金の返済を受ける

🏫 例:学校法人で投資CFを考える

新校舎を建設(固定資産の取得→マイナス)、古い体育館を売却(固定資産の売却→プラス)、教育用PCを大量購入(固定資産の取得→マイナス)。「将来のための買い物と、古いものの処分」が投資活動CF。

🏦 財務活動CFの主な勘定科目

勘定科目+/-具体例
短期借入れによる収入+銀行からの運転資金借入
短期借入金の返済-借入金の返済
長期借入れによる収入+設備投資用の長期借入
長期借入金の返済-長期ローンの返済
社債の発行+社債を発行して資金調達
社債の償還-社債の返済
株式の発行+増資による資金調達
配当金の支払-株主への配当
自己株式の取得-自社株買い

⚽ 例:サッカークラブで財務CFを考える

銀行からスタジアム建設資金を借入(+)、毎月のローン返済(-)、新株発行で増資(+)、株主への配当支払(-)。「お金を調達する手段と、その返済・還元」が財務活動CF。

利息と配当金の分類に注意!
受取利息・受取配当金:営業CF又は投資CF
支払利息:営業CF又は財務CF
支払配当金財務CFのみ(これだけ固定!)
試験では「支払配当金は営業CFに含まれる」をバツにする問題が頻出。
→ 詳しい解説は「💰 利息・配当」タブで!

🔗 C/F計算書とB/S・P/Lの関係

3つの財務諸表のつながり
P/L利益を計算
C/F計算書利益をお金に変換
B/S期末の現金残高

C/F計算書の「現金及び現金同等物の期末残高」= B/Sの現金預金

💡 現金同等物とは?

容易に換金できて、価値の変動が少ない短期投資。具体的には:

  • 取得日から3ヶ月以内に満期が到来する定期預金
  • コマーシャル・ペーパー(CP)
  • 公社債投資信託

普通預金・当座預金は「現金」そのもの。3ヶ月超の定期預金は含まれない!

💳 例:ECサイト運営で現金同等物を考える

PayPay残高や銀行の普通預金=「現金」。2ヶ月後に満期の定期預金=「現金同等物」に含まれる。しかし1年定期預金は含まれない。「すぐ使えるか?(3ヶ月以内か?)」が判定基準。

📚 過去問演習 ─ 基本事項(総合)

このタブ全体(間接法の+−・区分・現金同等物)を総合した4択。📍で根拠へ飛べる。

1間接法の調整(H27型)

間接法による営業活動CFの計算で、税引前当期純利益に加算する項目として最も適切なものはどれか。 📍 解説へ

  • A. 売上債権の増加
  • B. 有形固定資産売却益
  • C. 減価償却費
  • D. 受取利息
2運転資本の増減(H29型)

間接法の営業CFで、当期に減算(マイナス調整)となる組み合わせとして正しいものはどれか。 📍 解説へ

  • A. 棚卸資産の減少・買掛金の増加
  • B. 売掛金の減少・買掛金の増加
  • C. 買掛金の増加・棚卸資産の減少
  • D. 売掛金の増加・棚卸資産の増加
3固定資産売却の扱い(R2型)

有形固定資産の売却に関する記述として、最も適切なものはどれか。 📍 解説へ

  • A. 間接法の営業CFでは、売却益を減算して除去する
  • B. 売却益は営業CFに加算する
  • C. 売却による入金額は財務CFに計上する
  • D. 売却損は営業CFで減算する
4現金同等物(H30型)

キャッシュ・フロー計算書上の「現金及び現金同等物」に含まれないものはどれか。 📍 解説へ

  • A. 取得日から3ヶ月以内に満期の定期預金
  • B. 取得日から1年満期の定期預金
  • C. 当座預金
  • D. コマーシャル・ペーパー(CP)

✏️ 確認クイズ

入門用〜基本事項の内容から出題。選択肢をタップして解答しよう。

1CF計算書の3区分

CF計算書の3つの区分の組み合わせとして正しいものはどれか。

  • A. 営業CF・投資CF・借入CF
  • B. 営業CF・設備CF・財務CF
  • C. 営業CF・投資CF・財務CF
  • D. 売上CF・投資CF・財務CF
2間接法のスタート地点

間接法による営業CFの計算は、何からスタートするか。

  • A. 当期純利益
  • B. 税引前当期純利益
  • C. 営業利益
  • D. 売上高
3非資金項目

間接法で減価償却費を「プラスして足し戻す」理由として正しいものはどれか。

  • A. 減価償却費は収益だから
  • B. 減価償却費は営業外費用だから
  • C. P/Lで費用として利益を減らしているが、実際にはお金が出ていないから
  • D. 減価償却費は投資活動に分類されるから
4売上債権の調整

売掛金が100増加した場合、間接法の営業CFではどのように調整するか。

  • A. +100(プラス)で調整
  • B. -100(マイナス)で調整
  • C. 調整不要
  • D. 投資CFに記載する
5フリーCF

フリーキャッシュフロー(FCF)の計算式として正しいものはどれか。

  • A. 営業CF + 投資CF
  • B. 営業CF - 投資CF
  • C. 営業CF + 投資CF + 財務CF
  • D. 営業CF - 財務CF
6仕入債務の調整

仕入債務(買掛金)が50増加した場合、間接法の営業CFではどう調整するか。

  • A. +50(プラス)で調整
  • B. -50(マイナス)で調整
  • C. 調整不要
  • D. 財務CFに記載する
7貸倒引当金

間接法で貸倒引当金について、CF計算書に記入する金額として正しいものはどれか。

  • A. P/Lの貸倒引当金繰入額
  • B. B/Sの貸倒引当金の増加額(当期末-前期末)
  • C. P/Lの貸倒損失
  • D. B/Sの貸倒引当金の当期末残高
8現金同等物

現金同等物に含まれるものとして正しいものはどれか。

  • A. 1年満期の定期預金
  • B. 株式投資信託
  • C. 取得日から3ヶ月以内に満期の定期預金
  • D. 売買目的有価証券

選択肢をタップすると正誤と解説が表示されます

📘 直接法とは

間接法と直接法の違い

間接法

税引前当期純利益から
スタートして調整

P/Lの下から上

直接法

売上高・売上原価から
直接キャッシュを計算

P/Lの上から下

どちらで計算しても小計の金額は同じになる。小計以降も同じ。

📊 見た目の違い

間接法

税引前当期純利益 700

減価償却費 100

貸倒引当金の増加額 10

受取利息及び受取配当金 △20

支払利息 30

売上債権の増加額 △100

棚卸資産の減少額 100

仕入債務の減少額 △50

前払費用の増加額 △10

小計 760

直接法

営業収入 3,300

原材料又は商品の仕入 △2,150

人件費の支出 △250

その他の営業支出 △140

小計 760

 

 

 

 

項目数は違うが小計760は同じ

📋 直接法の4つの項目

直接法では、P/Lの科目ごとに「実際にいくらお金が動いたか」を直接計算する。

① 営業収入

P/Lの売上高をもとに、お客さんから実際に入金されたお金を計算

営業収入 = 売上高 - 売上債権↑

売上のうち、まだ回収してない分(売掛金の増加)を引く

貸倒れがある場合

= 売上高 - 売上債権↑ - 当期貸倒高

詳しくは「貸倒引当金」タブ

🔄 間接法ではどうしていた?
間接法では売上高そのものは出てこない。代わりに税引前利益から「売上債権の増加額 △100」としてマイナス調整していた。直接法は売上高から直接引く点が違う。

② 原材料又は商品の仕入支出

P/Lの売上原価をもとに、仕入先に実際に払ったお金を計算

= - 売上原価 - 棚卸資産↑ + 仕入債務↑

在庫↑ = 仕入にお金を使った(支出増)
仕入債務↑ = まだ払ってない(支出減)

🔄 間接法ではどうしていた?
間接法では「棚卸資産の減少額 +100」「仕入債務の減少額 △50」として別々に調整していた。直接法では売上原価に棚卸資産と仕入債務をまとめて1つの式で計算する。

③ 人件費支出

P/Lの人件費(給料等)をもとに、従業員に実際に払った給料を計算

= - 人件費項目 + 未払給料↑ - 前払給料↑

未払↑ = まだ払ってない(支出減)
前払↑ = 先に払った(支出増)

🔄 間接法ではどうしていた?
間接法では人件費は独立した項目としては出てこない。税引前利益の中にすでに含まれている(利益 = 売上 - 原価 - 人件費 - ...)ので、直接的な調整は不要だった。

④ その他の営業支出

P/Lの販管費(人件費以外)をもとに、実際に払った営業経費を計算

= - 営業費 + 未払営業費↑ - 前払営業費↑

🔄 間接法ではどうしていた?
間接法では「前払費用の増加額 △10」として営業費に関連する経過勘定だけを調整していた。直接法では営業費の金額そのものから計算する。

経過勘定のルール

未払が増えた

まだ払ってない

→ 支出が減る(+)

前払が増えた

先に払った

→ 支出が増える(-)

この考え方は間接法の小計以降と同じ

🔄 間接法の項目は直接法ではどうなる?

間接法で出てきた調整項目が、直接法ではどの項目に吸収されるかの対応表:

間接法の項目 間接法 直接法では?
売上債権の増加額 △100 ①営業収入の式の中で
売上高から引いている
棚卸資産の減少額 +100 ②仕入支出の式の中で
売上原価に加減している
仕入債務の減少額 △50 ②仕入支出の式の中で
売上原価に加減している
前払費用の増加額 △10 ④その他営業支出の式の中で
営業費から引いている
減価償却費 +100 出てこない。直接法はお金の動きだけを見るので、お金が出ない減価償却費は不要
貸倒引当金の増加額 +10 出てこない。お金が出ない非資金項目は不要。ただし貸倒れが発生した場合は①営業収入で当期貸倒高として反映
受取利息・支払利息 △20 / +30 出てこない。間接法で消す→入れ直す作業が不要。小計以降で同じように記載

直接法では「お金が実際に動いた取引だけ」を計算する。
だから間接法の「非資金項目の足し戻し」や「営業外損益の除去」は不要

試験ポイント
• 直接法と間接法で小計の金額は同じ。小計以降も同じ
• 直接法は4項目:営業収入・仕入支出・人件費支出・その他営業支出
• 間接法は「利益から調整」、直接法は「売上から直接計算」
• 試験では両方の方法で作れるようにしておく

💳 貸倒引当金とCF計算書

まず言葉を知ろう

売掛金(うりかけきん)

商品を売ったけど、まだお金をもらっていない状態。「ツケ」のこと。

貸倒れ(かしだおれ)

ツケが回収できなくなること。取引先が倒産した場合など。

貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)

「将来ツケが回収できなくなるかも」に備えて、あらかじめB/Sに積み立てておくお金

繰入額(くりいれがく)

今期新たに積み立てた額。P/Lに費用として載る

当期貸倒高(とうきかしだおれだか)

今期に実際に回収不能になった金額の合計。中身は2種類ある:

A:前期以前のツケの貸倒れ

前期以前のツケが貸倒れ
→ 引当金を使って処理

B:貸倒損失

当期のツケが当期中に貸倒れ
→ 引当金がないので全額費用

B/S(貸借対照表)

貸倒引当金

期首 → 期末の差から

A

前期以前のツケの貸倒れ

合わせて

+

P/L(損益計算書)

販管費 or 特別損失

費用として直接計上

B

貸倒損失

当期貸倒高 = A + B

B/Sから分かる額 と P/Lから分かる額 の合計

積み立てるだけで実際にお金は出ていかない

帳簿上の「備え」であって、通帳からお金が減るわけではない

📘 間接法ではどうする?

税引前当期純利益700は、P/Lの費用(繰入額)で減らされている
でもお金は出ていない → プラスして足し戻す

税引前利益

700

+

貸倒引当金の増加額

+10

=

調整後

710

減価償却費と同じ「お金が出ない費用 = 非資金項目」

注意:繰入額 ≠ 増加額

繰入額

今期積み立てた
P/Lに載る

増加額

B/Sの残高が増えた
当期末 - 前期末

なぜ2つの数字がズレるの?

引当金は「積み立てる」だけでなく、途中で貸倒れが起きたら「取り崩す」こともある。
つまり引当金の残高は 積み立てた分だけ増えるとは限らない

例えるなら、貯金箱にお金を入れたけど、途中で一部を使ったら、
「入れた額」と「増えた額」は違うよね。それと同じ!

具体例で比べてみよう

貸倒れなしの場合

期首残高:10
繰入額:+15
取崩し:なし
期末残高:25

繰入額 15 = 増加額 15

ピッタリ一致!

途中で貸倒れた場合

期首残高:10
繰入額:+15
取崩し:-5
期末残高:20

繰入額 15 ≠ 増加額 10

5だけズレる!

じゃあCF計算書にはどちらを書く?

CF計算書の間接法では「利益とキャッシュのズレを調整する」のが目的。
繰入額はP/Lの中で利益を計算するのに使った数字だけど、
途中で取崩しがあると、実際にB/Sに反映された額(=増加額)とズレる

CF計算書は B/Sの変動を正しく反映する必要があるから、
P/Lの繰入額ではなく、B/Sの増加額(当期末 - 前期末)を使う。

CF計算書 → B/Sの「増加額」を使う!

繰入額を使うと、取崩し分だけ金額がズレてしまう

増加額の出し方

B/S 当期末

20

-

B/S 前期末

10

=

増加額

+10

📙 直接法ではどうする?

直接法では「営業収入」(=実際にお客さんから入金されたお金)を計算する。

貸倒れなし

営業収入 = 売上高 - 売上債権の増加額

売上債権 = 売掛金や受取手形(まだもらってないお金)

貸倒れあり

営業収入 = 売上高 - 売上債権↑ - 当期貸倒高

回収できなかった分をさらに引く

当期貸倒高

当期貸倒高(とうきかしだおれだか)= 今期に回収できなくなった金額の合計。
2種類ある:

A

去年以前のツケが
今期に回収不能に

→ 引当金を取り崩す

B

今期のツケが
今期中に回収不能に

→ 貸倒損失(P/L)

ボックス図でAを求める

貸倒引当金のT勘定をボックスで表す。左右の合計は必ず一致する。

貸倒引当金(B/S)

借方(減少)

期末残高

= 当期末のB/S

A(前期以前のツケの貸倒れ)

← 求めたい!

貸方(増加)

期首残高

= 前期末のB/S

(当期の始まり=前期の終わり)

繰入額

P/Lで分かる

期末残高 + A

期首残高 + 繰入額

左合計 = 右合計 だから…

A = 期首残高 + 繰入額 - 期末残高

右側の合計から期末残高を引けばAだけが残る

期首と期末って?

期首残高

当期の始まりの残高
= 前期末のB/Sの数字

同じ日

期末残高

当期の終わりの残高
= 当期末のB/Sの数字

例:3月決算なら、期首=4/1時点(=前年3/31のB/S)、期末=3/31時点

読み方:
当期の始まり(期首)に持っていた引当金に、当期中に積み立てた繰入額を足す。
→ これが「今期使える引当金の総額」。
そこから当期の終わり(期末)に残っている分を引けば、
→ 今期実際に取り崩した額=Aが分かる。

A(前期以前のツケの貸倒れ)と B(貸倒損失)の違い

A:前期以前のツケの貸倒れ

前期以前に売上として計上した売掛金が、今期に回収不能になったケース。

前期末に「危なそう」と見積もって引当金を積んでおいたので、それを取り崩して充てる。

P/Lに載らない

B/S上の引当金が減るだけ

B:貸倒損失

当期に売上として計上した売掛金が、同じ当期中に回収不能になったケース。

当期に発生した売掛金なので、まだ引当金を積んでいない。
だから引当金では賄えず、全額が当期の費用(損失)になる。

P/Lに載る(当期の費用)

貸倒損失 = 当期だけの話

当期貸倒高 = A + B を式にすると

A = 期首 + 繰入額 - 期末 = -(期末-期首) + 繰入額 = -増加額 + 繰入額

当期貸倒高 = -増加額 + 繰入額 + 貸倒損失

-増加額

B/Sから

繰入額

P/Lから

貸倒損失

P/L(なければ0)

例題で確認

B/S 貸倒引当金:10→20(増加額+10)/ P/L 繰入額:10 / 貸倒損失:なし

当期貸倒高 = -10 + 10 + 0 = 0

貸倒れなし! 繰入額がそのまま増加額になった

試験ポイント
• 貸倒引当金はお金が出ない費用 → 間接法でプラスして足し戻す
• CF計算書には繰入額ではなくB/Sの増加額を使う
• 直接法では貸倒れがあれば当期貸倒高を営業収入から引く

✍️ 貸倒引当金 穴埋めチェック

貸倒引当金タブの内容を穴埋めで総チェック!
各穴をクリックしても答えが出るよ。

Q1. 用語の基本
① 商品を売ったけどまだお金をもらっていない状態(ツケ)= 売掛金
② ツケが回収できなくなること = 貸倒れ
③ 将来の貸倒れに備えてB/Sに積み立てておくお金 = 貸倒引当金
④ 今期新たに積み立てた額(P/Lに費用として載る)= 繰入額
Q2. 貸倒損失はいつの話?
貸倒損失(B)は、当期に発生した売掛金が同じ当期中に回収不能になったケース。
当期に発生した売掛金にはまだ引当金が積まれていない
だから引当金では賄えず、全額が当期の費用になる。
Q3. 当期貸倒高の2種類
当期貸倒高 = 今期に実際に回収不能になった金額の合計で、中身は2種類ある。
A:前期以前のツケが貸倒れ → 引当金を取り崩して処理
B:当期のツケが貸倒れ → 全額が貸倒損失(費用)
Q4. AとBはどこに載る?
A(前期以前のツケの貸倒れ)→ B/Sの貸倒引当金の増減から分かる
B(貸倒損失)→ P/Lに費用として直接計上される
Aは P/Lに載らない(B/S上の引当金が減るだけ)
Q5. 間接法での扱い
貸倒引当金の繰入額はP/L上で費用として利益を減らしているが、実際にお金は出ていない
だから間接法では、貸倒引当金の増加額をプラスして足し戻す
これは減価償却費と同じ「非資金項目」の調整。
Q6. 繰入額 ≠ 増加額
繰入額 = 今期積み立てた額(P/Lに載る)
増加額 = B/Sの残高が増えた額(当期末 - 前期末)
途中で貸倒れが起きて引当金を使うと、積み立てた額ほど残高が増えない
CF計算書にはP/Lの繰入額ではなく、B/Sの増加額を書く。
Q7. ボックス図の公式
貸倒引当金(B/S)

借方(減少)

期末残高
A

貸方(増加)

期首残高
繰入額

左合計 = 右合計

ボックス図の左側(借方)= 期末残高 + A
ボックス図の右側(貸方)= 期首残高 + 繰入額
左右の合計は必ず一致するので、
A = 期首残高 + 繰入額 - 期末残高
Q8. 当期貸倒高の公式
A = 期首 + 繰入額 - 期末 = -増加額 + 繰入額
当期貸倒高 = A + B = -増加額 + 繰入額 + 貸倒損失
Q9. 例題で確認
条件:B/S 貸倒引当金 10→20(増加額+10)/ P/L 繰入額 10 / 貸倒損失 なし
当期貸倒高 = -10 + 10 + 0 = 0
つまり貸倒れは発生していない。繰入額がそのまま増加額になった。
Q10. 試験ポイント
• 貸倒引当金はお金が出ない費用 → 間接法でプラスして足し戻す
• CF計算書には繰入額ではなくB/Sの増加額を使う
• 直接法では貸倒れがあれば当期貸倒高を営業収入から引く