Power Query

Excelのくり返し作業を"仕組み"に変える方法

Power Queryで、Excelのくり返し作業から卒業しよう

担当者担当者

毎月同じExcel作業を繰り返していて、正直しんどいんです...

パソコンくんパソコンくん

その"毎月の繰り返し作業"、Power Queryなら一度作れば更新ボタンで終わりますよ。追加料金もゼロです

Power Query(パワークエリ)は、Excelに最初から入っている無料のデータ整形・自動化ツールです。関数もVBAも不要。マウス操作だけで、毎月くり返している"地味だけど時間のかかる作業"を自動化できます。

このページでは、経理・営業事務・管理部門・個人事業主など、毎月のExcel作業に時間を取られている方に向けて、Power Queryで何ができるのか・どんな場面で役立つのかを具体的な活用パターンとともに紹介します。

特徴

無料(追加ソフト不要)
関数・VBA不要
マウス操作のみ

ひとことで言うと

Excelのくり返し作業を自動化するツール

こんな人にオススメ
  • 毎月、複数のCSVやExcelをコピペでまとめている
  • 会社名や勘定科目の書き方がバラバラで毎月直している
  • 先月との比較資料を、毎月イチから作っている
  • VBAやマクロは難しそうで、避けてきた

毎月のExcel作業に、どれだけ時間を取られていますか?毎月のExcel作業にどれだけ時間かかってますか?

経理・営業事務・管理部門・個人事業主の現場では、"毎月やることが決まっているのに、毎月ゼロから作り直している"作業が積み重なっていきます。特にしんどいのが、「やらなきゃいけないけど、判断はいらない。ただ手間がかかる」データ作業です。

経理・営業事務・管理部門・個人事業主──
"毎月ゼロから作り直す"データ作業に追われていませんか?

パソコンくんパソコンくん

どれも"本来やりたい仕事"ではないのに、毎月やってくる作業ですよね。こういう"繰り返し"する作業こそ、Power Queryを使うことで大幅に減らせるんです。

Power Queryってなに?

Power Query(パワークエリ)は、Excel 2016以降・Microsoft 365に標準搭載されているデータ整形ツールです。追加料金はゼロ。今お使いのExcelに、すでに入っています。

Power Queryは、Excel 2016以降・Microsoft 365に標準搭載のデータ整形ツール。追加料金ゼロで、今のExcelにすでに入っています。

関数もVBAもいらない。マウス操作だけで完結する

関数やVBAの知識は不要。列の削除もフィルタリングも、マウス操作だけでデータの加工手順を組み立てられます

一度作れば「更新ボタン」で翌月も翌年も再実行

Power Queryで作った処理手順は「クエリ」として保存されます。翌月のCSVが届いたら、ファイルを差し替えて「すべて更新」をクリックするだけ。同じ加工が自動で再現されます。

元データは一切壊さないから、安心して試せる

すべての処理はPower Query内で完結し、元のCSVには変更を加えません。失敗しても安心して何度でもやり直せます

💡 Power Queryの開き方

Excelのリボンメニューから「データ」タブを選択 →「データの取得」をクリック。これだけでPower Queryエディターが開きます。特別なインストールは不要です。

1
CSV/Excelファイルを読み込む
複数システム・部署のファイルをドラッグ&ドロップ
2
列名を揃える・不要列を削除
マウス操作だけ。関数・VBA不要
3
統合して1つのテーブルに
バラバラのデータが自動で1シートに
4
翌月は「すべて更新」だけ
一度作れば、ボタン1つで毎月再実行
パソコンくんパソコンくん

特別なソフトのインストールも、プログラミングの知識もいりません。今お使いのExcelに最初から入っている機能なので、追加の費用もなくすぐに始められます。

こんな場面で使える ― 業務別の活用パターン3選

自分に当てはまるものが1つでもあれば、Power Queryを試す価値があります。具体的な数字とともに紹介します。

活用パターン①
複数システム・部署から集まるファイルを一瞬で統合する

基幹システムから出したCSV、営業部から上がってくるExcel、ECモールの売上CSV ── 毎月、ソースが違う複数ファイルをダウンロードして、列名を揃えて、1シートに貼り合わせる。先月シートの数式を上書きしたり、列構成が微妙に違ったり。ミスのたびに集計をやり直す悪循環。"複数ファイルの統合"は、Power Queryが最も得意とする作業です。

基幹システム・営業部・ECモールなど、毎月ソースの違うファイルを手作業で貼り合わせる悪循環。"複数ファイルの統合"は、Power Queryが最も得意とする作業です。

Before
数時間
各ファイルを手作業で貼り合わせ、列名を揃え、関数で集計
After
数分
ファイルをフォルダに保存 →「すべて更新」をクリックするだけ
担当者担当者

統合するだけじゃなくて、内訳の利益率まで自動で出せるんですか?それは気になります。

パソコンくんパソコンくん

はい。手数料率はモールごとに違うので、統合して初めて「どこが本当に儲かっているか」が見えてきます。たとえばこんなレポートが自動で出せますよ。

モール別 売上・利益率レポート(4月)
モール売上手数料送料利益利益率
BASE¥185,000¥12,210¥8,400¥164,39088.9%
Shopify¥220,000¥7,480¥12,000¥200,52091.1%
合計¥405,000¥19,690¥20,400¥364,91090.1%
💡 BASEの方が売上は低いが、Shopifyは手数料率が低く利益率が高い ― 売上だけでは見えない「本当の儲け」がわかる

※ Power Queryで自動集計したレポートのイメージ

活用パターン②
"一度ルールを作れば、翌月から自動で分類してくれる"

経費の勘定科目分け、顧客名の書き方直し ── 毎月同じ判断を繰り返す作業は、一度ルールを作れば翌月からは自動で処理できます。

Before
数時間
1件ずつ目視で書き方を統一、カテゴリを手入力。毎月同じ判断を繰り返す
After
数分
一度ルールを登録 → 翌月も更新ボタンだけで自動適用
顧客名の書き方のバラつき統一
株式会社ABC商事ABC商事
(株)ABC商事ABC商事
ABC商事㈱ABC商事
勘定科目の自動分類
Zoom / Slack通信費
タクシー / JR旅費交通費
Amazon / 文房具消耗品費
パソコンくんパソコンくん

一度作ったルールは翌月もそのまま使い回せます。例外が出てきたら1行追加するだけ。月を追うごとにラクになっていきますよ。

活用パターン③
月次推移レポートを自動で積み上げる

毎月の売上データを時系列で並べて「先月と比べてどうだったか」を確認したい。でも現実は、先月のCSVを開いて、今月のCSVをコピペして、ピボットテーブルを作り直して…。毎月まったく同じ手順なのに、毎月最初から集計やっている。

「先月と比べてどうだった?」を知りたいのに、毎月同じ手順でピボットを作り直している…。

Before
数時間
先月シートにコピペで追加、ピボットテーブルを毎回作り直し
After
数分
今月のCSVをフォルダに保存 → 更新 → 月次推移に自動追加
パソコンくんパソコンくん

「先月と比べてどうだった?」が、CSVを保存してボタンを押すだけで毎月出てくる。これがPower Queryの"仕組み化"です。

月次売上推移レポート(自動更新)
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
売上前月比
10月¥380,000+12%
11月¥450,000+18%
12月¥520,000+16%
毎月のCSVをフォルダに追加 → 更新ボタン → この表が自動で更新されます

※ 月次推移レポートのイメージ(実際のデータではありません)

「毎月やっている作業」がある限り、削減の効果は毎月積み上がっていきます。

他にもこんな業務で使える ― 業種・部門別マップ

業種別に、Power Queryで仕組み化できる業務の代表例を並べました。

💰 経理・財務
  • 複数支店の売上Excelを1本に統合
  • 月次試算表の作成(部門別・勘定科目別)
  • 銀行口座の入出金明細と帳簿の照合
📈 営業・販売
  • 案件進捗データの統合・パイプライン集計
  • 書き方のバラつきを統一する(株・㈱→株式会社)
  • 商品別・エリア別の売上ランキング更新
🏭 製造・購買
  • 複数倉庫の在庫データを統合して全体把握
  • 仕入先別・品目別の原価推移レポート
  • 生産実績と予定の差異集計
👥 人事・総務
  • 打刻システムのCSVを整形 → 給与計算用の形式へ
  • 部門別・職種別の残業時間集計
  • 有給取得率の可視化
🛒 小売・EC
  • POSデータと販売管理の突合
  • ECモール別の売上集約(Amazon・楽天など)
  • 在庫回転率の計算・発注推奨リスト作成
🏥 医療・介護・士業
  • 診療報酬・介護報酬の月次集計
  • 顧問先別の帳票突合(税理士・社労士事務所など)
  • レセプトデータの前処理
パソコンくんパソコンくん

あなたの部門・業種に当てはまる業務はありましたか?"毎月やってる"作業が1つでもあれば、Power Queryで仕組み化できるかもしれません。

ChatGPTやGeminiを使うのとはどう違う?

「AIに聞けばExcel作業も自動化できるのでは?」と思う方もいるかもしれません。実際、ChatGPTやGeminiはデータ分析の相談や関数の生成には非常に便利です。ただし、Power Queryとは役割がまったく違います

ChatGPTやGeminiも相談や関数生成には便利ですが、Power Queryとは役割がまったく違います

AIツール(ChatGPT / Gemini等)
単発の分析・相談向き

CSVを読ませて集計はできるが、毎回やり直し。同じプロンプトでも結果が変わることがある。「更新ボタン」のような再現性はない。

VS
Power Query
繰り返しの定型処理向き

一度作れば毎月ボタン1つで再実行。複数ファイルの統合も自動。処理結果は常に同じで一貫性がある。

担当者担当者

たしかに、ChatGPTに「この表を集計して」ってお願いしたことあります。便利だったけど、翌月また同じことを頼むのが面倒で…

🔒 売上・顧客情報も安心 ― データを外部に送らない

AIツールに売上データを渡すのは、事業の数字を"他社のサーバーに預ける"のと同じこと。Power QueryはPC内で完結するため、ネットにすら繋がずに処理できます

🔒 データを外に出さずに処理できる安心感

AIツールは便利ですが、データを外部サーバーに送信して処理します。Power QueryはPC内で完結するため、売上金額・顧客情報など機密データも安心して扱えます。

担当者担当者

そっか、売上データや顧客情報をそのまま外に送るのはちょっと不安だったんですよね…。PC内で完結するなら安心かも。

💡 AI専門家の見解

「手順が明確な作業はシンプルなツールに、判断が必要な作業だけAIに任せるべき」

── AnthropicのBarry Zhang氏

パソコンくんパソコンくん

"なんでもAI"ではなく、向いている作業を向いたツールに任せる ── これはAIの専門家も言っている原則です。

結局、Power Queryはどこまでできる?

Power Queryは非常に強力ですが、得意なことと苦手なことがあります。先に知っておくと安心です。

❌ Power Queryでは難しいこと
  • セルの書式設定(色、フォント、罫線など)→ 通常のExcel機能で対応
  • リアルタイムの自動更新 → 手動で更新ボタンを押す必要がある
  • 毎回フォーマットが違う入力 → 型が揃わないと自動化しにくい
  • 超大量データの処理(数百万行〜億行)→ Power BI等の専用ツール向き
🎯 Power Queryが向いているケース
  • 繰り返し業務
    月次・週次など定期的に発生する
  • 入力が揃う
    毎回ほぼ同じ形式のExcel/CSVが届く
  • 手順が明確
    誰がやっても同じ結果になる
  • データ量は現実的
    1ファイル100万行以下
  • 更新は日次/週次
    秒単位の鮮度は不要
  • 出力は表形式
    集計表・レポート台紙・ピボット等
パソコンくんパソコンくん

万能じゃないからこそ、「繰り返しデータ整理」という得意分野では無敵なんです。

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。

パソコンくんパソコンくん

実際に手を動かしてみたい方向けに、勉強会の開催を予定しています。

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PON
PON
元獣医師 → 営業 → BIエンジニア

獣医師として動物医療に従事後、営業職に就きBIツールを現場で活用。
その後BIエンジニアとして、製造業・小売業など多様な業種で、数億行規模のデータ基盤構築や、Power BI / Looker Studio を用いた可視化プロジェクトに携わってきました。
現在は起業準備中で、"現場で使える"Power Query勉強会を企画中です。